免疫とは?なぜ人は毎日ウイルスに触れても病気にならないのか【やさしい免疫学①】

やさしい免疫学

免疫学とはどんな学問?

私たちは毎日、数えきれないほどの細菌やウイルスに触れています。

ドアノブ、電車のつり革、スマートフォン、空気中…。

それでも、毎日必ず病気になるわけではありません。
では、なぜ私たちは毎日ウイルスに触れても病気にならないのでしょうか?

答えは、体の中にある 「免疫」 という防御システムです。

そして 免疫学 とは、体がどのようにして病原体から身を守るのかを研究する学問です。

ワクチンやがん免疫療法など、多くの医療分野にも応用されています。
また、細菌やウイルスから体を守る仕組みだけでなく、アレルギーや自己免疫疾患など、
免疫が過剰に働いたり誤作動を起こしたりする現象も研究対象です。

免疫学を学ぶメリット

免疫そのものは身近なものですが、これを学問として学ぶ人はそう多くないかもしれません。
しかし、免疫は日常生活と深く関係しています。

例えば

・風邪
・花粉症
・食物アレルギー
・ワクチン
・腸内細菌

これらはすべて、免疫と関係しています。

そのため、医療従事者や生命科学系の学生だけでなく、
子どものいる親御さんや健康に興味がある方にとっても、実はとても身近な学問です。

この「やさしい免疫学シリーズ」では、身近な例を通して、免疫のしくみをできるだけわかりやすく解説していきます。

免疫とは?

免疫とは、体を守るための 生体防御システム のことです。

免疫学では、体にとって異物となるものを 抗原 と呼びます。
また、自分の体の成分を 自己、体の外から入ってくるものを 非自己 と呼ぶこともあります。

抗原にはさまざまなものがあります。

・細菌
・ウイルス
・寄生虫
・花粉
・食べ物
・薬
・ハチなど昆虫の毒
・金属

私たちは日々、多くの抗原に触れています。
それでも大きな病気にならないのは、体の免疫システムが働いているからです。

免疫には大きく分けて 2種類 あります。

自然免疫獲得免疫 です。

自然免疫とは?

体を「お城」に例えてみましょう。

自然免疫とは、お城の外で城を守る 門番 のような存在です。

怪しい人を見つけると、すぐに追い払おうとします。

例えば、体に細菌やウイルスが入ってきたとき

・発熱
・炎症
・免疫細胞による攻撃

などが起こります。

これは体が異物を排除しようとしている反応です。

このような すぐに働く防御システム が自然免疫です。

そしてこの仕組みは、人間だけでなく多くの生物が持っています。

獲得免疫とは?

自然免疫と同じように体を城に例えると、獲得免疫は 城の中の警察官 のような存在です。

一度侵入してきた敵の顔を覚えておき、次に同じ敵が入ってきたときにすぐに攻撃できるようにします。

この「覚えておく仕組み」を「免疫記憶」と呼びます。

獲得免疫は、背骨を持つ動物(脊椎動物)だけが持つ高度な免疫システムです。

この免疫システムは、進化の過程で多くの病原体に対抗するために発達したと考えられています。

ワクチンとは?

獲得免疫の仕組みを人工的に利用したものが ワクチン です。

ワクチンとは、弱らせたり不活化した病原体、あるいは病原体の一部を体内に入れることで、

体に あらかじめ免疫を作らせておく方法 です。

これにより、実際の病原体が体に入ってきたとき、すでに免疫が準備できているため

・感染を防ぐ
・重症化を防ぐ

ことが期待できます。

ワクチンの種類

ワクチンにはいくつかの種類があります。

例えば

生ワクチン
不活化ワクチン
トキソイドワクチン
mRNAワクチン

などです。

また、ワクチンの接種回数は病気の種類によって異なります。

例えば、インフルエンザのようにウイルスの型が毎年変わるものは、毎年接種する必要があります。

一方で、一度の接種や数回の接種で長期間の免疫が得られるワクチンもあります。

まとめ

免疫とは、体に入ってきた異物から体を守る生体防御システムです。
免疫には自然免疫と獲得免疫の2種類があります。

今日のおさらい

~ちょっと考えてみよう~

Q1. 体を守る仕組みを何という?
A 消化
B 免疫
C 呼吸


Q2. 一度出会った敵を覚える仕組みは?
A 自然免疫
B 免疫記憶
C 消化


Q3. 免疫には大きく分けて何種類ある?
A 1
B 2
C 3


答え

Q1:B(免疫)
Q2:B(免疫記憶)
Q3:B(2種類)


では、なぜ花粉症は起こるのでしょうか?
そのカギとなるのが、免疫が反応する物質「抗原」です。

次回は、この抗原とはいったい何なのか?について解説します。

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