GHS表示とは?化学物質の危険を示す9つのマークをやさしく解説

検査実務

研究室や工場で薬品のラベルを見ると、赤いひし形の🔥☠️⚠️マークが付いていることがあります。

これらは GHS表示 と呼ばれるものです。

GHSとは化学物質の危険性を世界共通のルールで表示する仕組みです。

今回は、GHSとは何か?そしてどんなマークがあるのか?をやさしく解説します。

GHSとは?

GHSとは

国連の「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」
G
lobally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals

の略です。少し難しいですが、簡単に言うと世界共通の化学物質の危険表示ルールです。

GHSは国連が作った世界共通のルールですが、それ自体は法律ではありません。
しかし、各国が自国の法律に取り入れることで、実際の現場では法律と同じように扱われています。

なぜGHSが作られたのか?

昔は国によって化学物質の危険表示がバラバラでした。

例えば

  • 日本の表示
  • アメリカの表示
  • ヨーロッパの表示

すべて違っていたのです。

これは

  • 国際貿易
  • 労働安全
  • 化学物質管理

の面で大きな問題でした。

そこで世界中で同じルールを使おうということで作られたのがGHSです。

GHSの特徴

GHSには大きく3つの特徴があります。

① 赤いひし形のマーク
② 統一された危険表示
③ 世界共通ルール

つまり誰が見ても危険が分かるように作られています。

GHSのマーク(ピクトグラム)

GHSでは、化学物質の危険性を9種類の危険マーク(ピクトグラム)で表示します。
それぞれの意味を一覧で見てみましょう。

赤は注意喚起色としてよく使われ、GHSでも視認性の高い赤いひし形が採用されています。
※交通標識でも警戒標識や注意標識はひし形が多いです。

研究室では「ドクロ」よりも「燃える」「腐食する」のマークをよく見かけます。

メルカプトエタノールなどの強い毒性物質ではドクロマークが付くこともあります。

日本でよく使われるマークは8種類

GHSのマークは全部で9種類あります。

しかし、日本のラベル表示ではあまり見かけないマークが1つあります。

それが環境有害性マークです。

日本の労働安全衛生法などのラベル表示では、環境有害性マークは原則として表示義務の対象ではないため、他の8種類ほど頻繁には見かけません。

ただし、重金属など環境への影響が大きい物質では、研究室の試薬ラベルでも見かけることがあります。

GHSはどこで使われる?

GHSは主に

  • 化学製品ラベル
  • SDS
  • 研究室の試薬

などで使われます。

つまり化学物質を扱う現場の安全管理に使われています。

実はGHSは法律ではない

GHSは国連が作った国際ルールですが、法律ではありません。

つまり国連が「このルールを使いましょう」と提案している国際的なガイドラインです。

ではなぜ日本でも使われているのかというと、各国が自分の国の法律に取り入れているからです。

つまり、実質的には法律に基づくルールとして運用されています。

日本では主に次の法律でGHSが使われています。

  • 労働安全衛生法
  • PRTR法
  • 毒物及び劇物取締法

特に労働安全衛生法

  • SDS
  • ラベル表示

が義務化されています。

試薬の濃度とGHSの関係

GHSマークは適当にマークを付けているわけではありません。

  • 危険性の種類
  • 危険度(カテゴリー)
  • 濃度

によってかなり細かい「科学的基準で決められています。

ポイントはこの3つです👇


① 危険性の「分類基準」がある

GHSでは化学物質の危険性をハザードクラス(危険性の種類)で分類します。

例えば

ハザードクラスは薬品の特徴を表しています。例えば塩酸なら腐食性です。

この分類によってどのマークを使うかが決まります。


② さらに「区分」がある

危険性の強さによって**区分1~4(危険度)**が分かれます。

区分は危険性の強さを表します。急性毒性の場合はLD50(半数致死量)という指標で決まり、これは実験動物の50%が死亡する投与量を示します。その値に応じて区分1〜4などに分類され、急性毒性では区分1〜3にドクロマークが表示されます。


③ 濃度によっても変わる

混合物の場合は濃度が重要です。

例えば

ある毒性物質が

  • 100% → ドクロ
  • 1% → ⚠️
  • 0.01% → 表示なし

ということもあります。

つまり同じ物質でも濃度でマークが変わることがあります。

例えば、過酸化水素のように、濃度が高くなるにつれて腐食性や酸化性の絵表示が追加されることがあります。

同じ化学物質でも、濃度によってGHSマークが変わることがあります。

今日のまとめ

このように、GHSでは化学物質の危険性を科学的な基準で分類し、世界共通のマークで表示しています。

赤いひし形のマークを見ることで

  • 燃える
  • 毒性がある
  • 腐食する

などの危険をすぐに知ることができます。

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