こんにちは。よろづやまゆたろうです。
今日は食品添加物について書こうと思います。
皆さんは食品添加物についてどんなイメージをお持ちですか?
「食品添加物って体に悪いんじゃないの?」
SNSやYouTubeでは、「危険」と紹介する動画もあります。
だから不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
でも実際には、食品添加物は良い面と悪い面の両方を持つ“諸刃の剣”。
正しく理解すれば、必要以上に怖がる必要はありませんし、自分で賢く選ぶこともできます。
この記事では、食品衛生学を学び、理化学試験として保存料や着色料、酸化防止剤などの検査経験もある立場から、食品添加物の本質とリスクの考え方をやさしく解説します。
食品添加物が怖く感じられる理由
食品添加物に不安が向けられる理由の多くは、
- 食品ではないものを“意図的に”入れている
- 聞いたことのないカタカナ名が並んでいる
この2つです。
知らない物質が入っていると、まるで「毒を盛られている?」と感じる…
これは人間の本能として自然な反応です。
でも本当に大事なのは、どんな物質かより、どれくらいの量か という視点です。
食品添加物は何のために使われるのか?
「使わなくてもよくない?」と思うかもしれませんが、食品添加物には明確な目的があります。主に4つです。
- 食品の安全性を守る(食中毒予防)
保存料や殺菌料は、食品中の微生物が増えるのを防ぎます。
例:保存料がないとボツリヌス菌による食中毒のリスクが上がります。 - 見た目や風味、食感を保つ
発色剤、香料、乳化剤などは食品の品質を安定させます。
お肉の赤色が保たれているのも、ドレッシングが分離しないのも添加物のおかげです。 - 栄養を補う(栄養強化)
ビタミンやミネラルの添加は、食品の栄養価を高めるために使われます。 - 保存性を高め食品ロスを減らす
酸化防止剤や防カビ剤によって食品の劣化が抑えられ、廃棄を減らすことにもつながります。
加工中だけ使われる添加物もある
食品加工の段階で一時的に使われる添加物もあります。
例:
- 油脂抽出のために使うエーテル
- みかんの薄皮を溶かす酸やアルカリ
- 酵素などの加工助剤
これらは最終製品には残らず、表示上は食品添加物として扱われます。
だから表示だけを見ると不安になりますが、実際の影響はほとんどありません。
食品添加物の安全性の考え方
食品添加物は、長期的に摂取しても安全かどうかが基準で評価されます。
その指標が NOAEL(無毒性量) です。
動物実験で、長期間摂取しても影響が出なかった最大量を基にします。
さらに、このNOAELを 100で割った量 が一日許容摂取量(ADI)として設定されます。
NOAEL ÷ 100 = ADI(人が一生摂っても問題がない量)
つまり、安全側に100倍倒した値で管理されているので、通常の食生活では健康への影響はほとんどないと考えられています。
食品添加物は“諸刃の剣”
使い方によってはリスクもありますが、使わなければ別のリスクもあります。
- 保存料を使わない → 食中毒リスク増
- 酸化防止剤を使わない → 油脂の劣化で有害物質が増える
- 発色剤を使わない → 見た目が悪く売れず、廃棄が増える
- 栄養強化をしない → 必要な栄養素が不足する可能性
薬と同じで、ギリギリ安全な量を使うことでメリットを最大化しているのです。
大切なのは「知識で選ぶ」こと
食品添加物を使うことにはメリットもデメリットもあります。
極端に怖がるのではなく、
- 目的
- 量
- ベネフィット
- リスク
を理解して、自分の価値観に合った選択をすることが大切です。
食品添加物は私たちの生活を便利にし、安全性を高め、食品ロスを減らし、時に栄養も補ってくれます。
正しい知識を持つことで、安心して食品を選べるようになります。
💡 まとめポイント
- 食品添加物は諸刃の剣。
- 適切に使われればメリットが大きい。
- 「怖い」と思う気持ちは自然だが、量と目的を知ることが重要。
- 知識を持って自分で選べば、食品添加物は生活の味方になる。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
