人がいじわるをする理由はなに?
10代の哲学さんぽシリーズ、第2弾!ドゥニ・カンブシュネ氏著書の『人がいじわるをする理由はなに?』を読みました。
この本ではいじわるとはなにか?について書かれています。タイトルの通りですね(苦笑)
問題なのはここから自分はどう思うか?について書こうと思います。
そもそも道徳とは?
著者は道徳には2つの問題があると述べています。
一つ目は道徳には偽善がつきものであること。
二つ目は人はみな状況が違うのに道徳は型にはまった答えしかない、ということです。
親は子どもによく説教をしますが、子ども自身は悪いことは自分で認識しているーそして、例え親であったとしても、誰かに説教できるほど立派な人間なんてそもそもいやしない、と説いています。
この考え方は私も同感です。
道徳はある特定の思想を刷り込むのにはいいと思いますが、それが正しいかどうか、そもそも正しさなんてホントにあるのかさえ分からないものだ、と思います。
いじわるの定義とは?
では、いじわるとは何なのでしょうか?
本書ではいじわるは、
相手を傷つけたり、苦しめたり、侮辱したりするためにするもので、相手(つまりターゲット)が必要になることが特徴である
と書かれています。
相手を軽蔑し、言葉による攻撃をすることから始まり、それがエスカレートすると憎しみに変わる、その憎しみが、相手に対する肉体的な暴力に繋がると書かれています。
いじわるな人は、正当な理由もなく、なにか相手の悪いところをみつけて言いがかりをつける、そして人を苦しめることを楽しむ、挙句の果てに自分がやっていることが正しいと信じて疑わないのです。
人は良くないと思っていることはしない。悪を犯す人はそれを『良い』とみなしているからこそするのだ
また、人間は自分が属する集団とそれ以外、つまり自分たちと違う相手を敵とみなすことがあります。
仲良くできればいいんですが、なかなかそんな簡単な話ではなく、世の中には派閥争いとか、いじめとか・・・いろいろありますよね。
そうすると自分とは異なる人をいじめの対象にするそうです。
なんか・・・これが国家間になるとまさに戦争とか、人権侵害とかになるんですよね。。。
人間って怖いです。
まぁ、鳩の世界でも白い子はいじめられるっていうし、人間もしょせん猿だから、本能的に仕方ないのかもしれないですけど・・・。
いじわるをする人はどんな人?
じゃあ、自分はいじわるなんてしない人間だ!そんなの絶対ダメだ!
って言いたいところなんですが、本書では、いじわるをする人間になるかどうかは実は状況による、と説いています。
これは、お~!!!って共感できますね。私は。
人の行動は環境や状況によって左右されることが多い。
一線を越えるのは意外にたやすいのかもしれない。
ただ、周囲の人間の幸せを願うのはごく自然なこと。君が愛されて育ったのならなおさらだー
こんな文章が出てきます。本の中では、人間はみんないじわるで、そもそも人をいじめられないような『良い人』とされる人間は弱者である、とも説かれています。
その証拠に、
”もしも悪いことをしても絶対にばれないし、誰からもとがめられないってなったら、君はどうする?何をしたい?”
という問いが出てきます。
私は宝くじの一等の番号をちょろまかして自分の買ったくじにすり替えたい(苦笑)
つまり、人間は自分自身の裁判官であると同時に、みんなが良心の呵責に従って悪いことをせずに生きているから、自分もみんなと同じように生きているだけであるーという考え方です。
これも、分からなくもない。
日本は交番より小学校の方が数が多いそうですが、これは世界に誇れることだって依然モーリー・ロバートソンさんが言ってました。
日本人ってよくも悪くもまじめで、でもこの治安維持は国民性でもあるんですよね。
もし戦争地帯に行ったら・・・?もし、相手が自分や家族に危害を加えそうになっていたら・・・?たぶん今の自分たちの生活とはかけ離れた人生や選択があるでしょう。
じゃあどうする?
じゃあいじわるな人にもし出会ってしまったら?もし自分が人にいじわるをしてしまったら?
私の個人的な答えは、
ソーシャルディスタンス!(苦笑)
そう、距離をとります。関わらない!!逃げます!!!
自分がいじわるをしてしまったら、指摘されたら素直に謝る。。。
それができなければ自分で自分を幸せにできるように努力する。
結局、人にいじわるをするかどうかは、自分自身の心のゆとりの量に関わるんじゃないか、って考えてます。
複雑だった生い立ちの影響もあって、私は自分の感情をコントロールすることが苦手です。
そしてすぐいっぱいいっぱいになってイライラしてしまう。けど、そういう時はもうあきらめて休むようにしてます。
人間は弱い生き物だから、環境によってすぐに優しい気持ちとか笑顔とか忘れてしまいます。
だから、いつも穏やかでいられるように、上のイラストにあるようにできる限り『支援の輪』をぶ厚くして余裕のない気持ちがお外の世界に出てこないように気を付けてます。
あんまできてないけど・・・。
たくさんの人とかものに頼っていい。
気持ちが穏やかでいられるように、幸せな人生が送れるように、自分で自分を幸せにするー
最後に、揺れ動く世界情勢の中で、多くの人が大切な人たちと平和で幸せな日々を過ごせることを願って・・・。