こんにちは、まゆたろうです。
最近、理系の技術派遣の方と面談する機会があり、「分析」と「実験補助」は似ているようで実はまったく違う仕事だという指摘を受けました。
どちらも「実験をする」という点では共通していますが、中身はまったく異なります。
今日はその違いについて、自分の経験も交えて書いてみたいと思います。
分析とは?
私の仕事は「実験補助」ではなく、「分析業務」にあたります。
分析の仕事は、決められたプロトコルに従って実験を行い、正確な検査結果を出すことが目的です。いわゆるルーチンワークが中心です。
品質管理の現場では、分析結果が「いつもと違う」ことで、製品の異常やロット不良に気づくことができます。つまり、異変に気づける“観察眼”も求められます。
実験補助とは?
一方、実験補助は、主に大学や研究機関で働く先生方の「頭の中にある構想」を、実験というかたちで実現する仕事です。
たとえば、ある病気に対する新薬を開発する場合、
- 疾患モデル(例:がん細胞)を作成し、
- 候補となる化合物を投与し、
- 条件を変えながら細胞の変化を観察・記録する、
といった作業が必要になります。
このとき、先生から手取り足取り教えてもらえるとは限りません。むしろ、研究者は多忙なため、実験を教える時間がないのが普通です。
特に技術派遣で入る場合は「即戦力」であることが前提となるため、
- 実験計画を理解する読解力
- 失敗の原因を自分で考察し修正する力
- ある程度の独立性
が求められます。つまり「ただ指示された通りに実験をする」だけでは務まらないのです。
このように、分析と実験補助はどちらも“手を動かす仕事”ではありますが、目的や求められるスキルがまったく異なります。
実験歴10年の私でも通らない理由
私はこれまで10年以上、分析化学の現場で仕事をしてきました。
ですが、今回の指摘を受けるまで、自分がやってきた仕事が「実験補助」とは全く違うものであることに気づいていませんでした。
たとえば、大学や研究所の求人に応募しても、アルバイトですら書類選考で落ちてしまいます。
中には、大学卒業から10年以上たっていても卒業証明書を求められたり、高校入学からの学歴記載を指示される求人も多々ありました。
これはつまり、職歴ではなく「学歴」や「研究歴」が重視されているということです。
大学院卒や論文執筆経験のある人が求められており、「地頭の良さ」や「研究者としての素地」が評価される世界なんですね。
私は大学院にも進んでいないし、論文も書いたことがない。
――そりゃあ、書類が通らないのも当然だったのです。
派遣オファーを断った理由
この気づきを得たことで、別の派遣会社から紹介された「某有名大学の研究補助」の仕事はお断りしました。
理由はシンプルです。
「自分には絶対に務まらない。学歴もスキルも求められる水準に達していない」と感じたからです。
実は今の職場でも、大学院卒の上司から研究補助のような仕事を振られることがありました。
でも、上司が何をしたいのかを理解できず、それを形にすることもできず…。
結局イライラされて、仕事を任せてもらえなくなってしまいました(苦笑)
以前勤めていた会社では、似たような学歴の人が多く、話が通じやすくて居心地が良かったです。
新しい検査項目の検討も任せてもらえましたし、やりがいを感じていました。
しかし今の職場では、それが全くできなくなってしまったのです。
学歴と仕事のマッチング
私は、分析の仕事が好きですし、自分に合っていると感じています。
だから、背伸びをせずに、自分のスキルが活かせる場所で働くことが何より大切だと改めて感じました。
分析業務を軽んじているわけではありません。
でも、やっぱり「自分の実力に見合った環境で、やりがいを感じて働くこと」が、長く続けるためには必要だと感じています。
上司と合わないときのサイン
これは余談ですが、とあるブログで見かけた言葉がとても印象的でした。
「上司と合わない=会社と合わない」
つまり、「上司の人柄=社風」です。
これは自分の経験上、まさにその通りだと思いました。
会社の上司のカラーは、その会社の文化を体現しています。
部署異動しても、似たようなタイプの上司に当たる可能性が高いのです。
だから、上司と合わないと感じたら、それは転職を考えるサインだと思っています。
それに、私は直感も大切にしています。
「なんとなく、この職場合わなさそうだな…」という感覚は、だいたい当たっていました。
自分の気持ちは、自分が一番よくわかっているものです。
自分の強みを理解して、無理せずフィットする職場で力を発揮していきたい。そう思えた面談でした。はっきりと教えてくださった技術派遣の方には感謝しています。これからも、自分らしく働く道を探していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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