書籍紹介
今回は、投資の基本を学べる名著『投資の大原則~人生を豊かにするためのヒント~』をご紹介します。
この本は、投資本として名高い『ウォール街のランダムウォーカー』の著者バートン・マルキール氏と、『敗者のゲーム』で有名なチャールズ・エリス氏による共著です。
「投資」と聞くと難しそうなイメージがありますが、この本は初心者にも非常にわかりやすく書かれており、投資の基本的な考え方が丁寧に解説されています。
私はリベラルアーツ大学(リベ大)の両学長の動画でこの本を知り、実際に手に取ってみました。動画とあわせて読むことで、より理解が深まります。ぜひ併せてチェックしてみてください。
ちなみに、同じ著者の『ウォール街のランダムウォーカー』は難解で、私は途中で挫折してしまいましたが(苦笑)、本書はまったくの投資初心者にも読みやすい構成となっています。
投資を始める前にやるべきこと
本書では、投資を始める前にまずやるべき重要なステップが紹介されています。
1. 何よりもまず貯金をすること
収入の範囲内で生活し、余ったお金を投資に回す。これが資産形成の第一歩です。
2. 借金をしないこと
特に、カードローンのような高金利の借金は絶対に避けるべきです。たとえば、年利18%の借金は4年で2倍、8年で4倍にも膨れ上がります。返済に追われる生活では、投資どころではありません。
この2つの土台がしっかりしていれば、生活が破綻するリスクはかなり抑えられるでしょう。
インデックス投資とKISSポートフォリオ
本書で推奨されているのは「インデックス投資」です。
著者は、アインシュタインの「シンプルに、しかしシンプルすぎず」という言葉を引用しながら、分散投資の重要性を説いています。
また「KISS(Keep It Simple, Sweetheart)」という投資哲学にも触れ、複雑にしすぎないシンプルなポートフォリオ設計を勧めています。
投資の大原則:9つのルール
本書では、長期的な資産形成に欠かせない「9つの原則」が紹介されています。
- お金は若いうちから貯める
- 会社や国の制度を活用する(例:iDeCoやNISA)
- 万が一に備えて現金を確保しておく
- 必要な保険に入る
- 分散投資を行う
- 借金を避ける
- 短期的な値動きに惑わされない
- 低コストのインデックスファンドを選ぶ
- 目新しい金融商品には手を出さない
これらはどれも当たり前に見えますが、感情に流されやすい投資の世界では、意外と守るのが難しいものです。
まとめ:お金の教養として投資を学ぶ
本書の最後には、投資で成功するには「忍耐力」「継続する努力」「ミスを最小限にとどめること」が大切だと書かれています。
また、もしパートナーがいる場合は、夫婦で資産状況を共有し、話し合いながら投資の方針を決めていくことが重要です。
先の見えない時代だからこそ、「教養としての投資」を身につけることは、人生を豊かにする選択肢のひとつです。
まずは、できることから。収入の範囲で暮らし、借金をせず、自分らしいペースで資産形成を進めていきたいと思います。