品質管理とは何か?社会の安心を支える仕事

品質管理

はじめに

品質管理とは、読んで字のごとく「品質を管理する」仕事です。
食品、機械、繊維など、さまざまな製品が作られる過程で、

・作った商品が必要な条件を満たしているか
・基準に適合しているか

を調べ、数値化し、確認する役割を担っています。

品質管理の役割

品質管理は、いわば会社にとっての「保険」のような存在です。

万が一、製造した商品から不良品が見つかった場合、
いつから不良品が発生したのか、
どこまで安全性が担保された製品だったのかをさかのぼることで、
二次被害を防ぎ、会社の経済的損失や社会的信用の低下を最小限に抑えることができます。

その一方で、品質管理部門は売上を直接生み出す部署ではなく、
企業にとっては「コスト部門」と見なされることも少なくありません。
検査を専門に請け負う企業を除けば、
多くの民間企業の品質管理部門は、
生産性向上やコスト削減を求められ、
肩身の狭い思いをすることもあります。

しかし、企業内に品質管理部門があることで、
不良品の申し出があった際に、
迅速に安全性を確認できるという強みがあります。
これは企業価値を高める大切な役割でもあります。

品質管理の検査内容

品質管理の検査内容は多岐にわたります。

たとえば食品分野では、

・アレルギーを引き起こす特定原材料が含まれていないか
・残留農薬は基準値内か
・微生物汚染がないか

といった安全性の確認が行われます。

また、「ビタミンC配合」「食物繊維が豊富」など、
商品の特別な表示内容がある場合には、
実際にその量が含まれているかを分析によって確認します。

さらに、実用試験として、
雑貨や製品を実際に使用し、

・どのくらいで壊れるか
・安全に使えるか

を評価することもあります。
たとえばクッキー型の実用試験では、実際にクッキー生地を作り、
型を使って確かめることもあります。

品質管理の内容は、扱う製品によって大きく異なります。
食品や医薬品では、食品衛生法や薬機法(旧・薬事法)、
JIS規格などの法律や規格に加え、
企業独自の「自主基準」に基づいて判定が行われます。

これらの基準に照らし合わせて、
製品を出荷してよいかどうかを判断することが、
品質管理の重要な仕事です。

品質管理は誰のための仕事か

品質管理は、商品を購入してくれるお客様、
そして自分の会社のための仕事です。

お客様は安心して商品を使用することができ、
会社は万が一事故が起きた場合でも、
被害を最小限に抑えることができます。

また、品質管理には「抑止力」としての役割もあります。
過去には食品の偽装事件が社会問題となりましたが、
検査によって産地や品種を確認できる体制が整っていれば、
お客様をだます行為は行いにくくなります。

近年は企業活動のグローバル化が進み、
製造工程と消費者との距離はますます遠くなっています。
その中で、

「この製品が、どこで、どのように作られたのか」

をさかのぼれること(トレーサビリティ)は、
顧客、製造者、販売者など、
さまざまなステークホルダーにとって重要な意味を持つようになりました。

社会的意義と現実

出荷した製品の安全性を担保し、
万が一事故が起きた場合に即座に対応できる体制を整えることで、
製品に関わる人々の安全を守ることができます。

品質管理は、社会の安心と信頼を支える、
非常に意義のある仕事です。

……ただし、基本的に儲かる仕事ではありません

品質管理の仕事に興味がある方へ

品質管理の仕事に興味がある場合は、
業界選びにも注意することをおすすめします。

一般的には、

食品業界よりも化粧品業界、
化粧品業界よりも医薬品業界のほうが、
法規制が厳しく、品質管理の重要性が高い傾向があります。
その分、教育体制や管理体制が整っている場合も多く、
専門性を身につけやすい分野でもあります。

また、企業以外にも、
外部の検査機関で働くという選択肢があります。
外部検査機関には、利益を目的としない財団法人や公益法人、
保健所や衛生研究所などの公的機関も含まれます。

おわりに

私はこの仕事が好きで、20年近く続けてきました。

品質管理の仕事は、決して目立つ仕事ではありません。
それでも、確実に社会の安心を支えている仕事だと感じています。

タイトルとURLをコピーしました